地球に現れた最初の脳は、5億年前。4億3000万年かけて徐々に進化した。
    そして7000万年かけて、人類の原型脳(700g)にまでなった。
    この脳が、たったの200万年で倍以上になった。
    他の脳の重さは変らずに、前頭葉と呼ばれる部分だけが大きくなったのである。
    生物の種の一つとして、人類が生き残る術として、手に入れたもの、それが前頭葉だったのである。
 このことにより、人類は、「現在」から「未来」へ脱走し始めたのである。
    この脳は、物事が起る前に、未来における結果を予測することができるようになったのである。
- もうじき日が暮れるから家に帰ろう
 - あと○○○で寒い日(冬)がくるから、今の間に食べ物を貯蔵しよう
 - 隣村で凄い乱暴者がリーダーになったので、境に塀をつくったり武器を用意する
 
 今、私たちの周りで生きている人類は、こうした状況を生き抜いてきたのだから、未来への洞察を持っている。
 つまり先を読み状況をコントロールする能力を持った人たちが、現在の人々なのだ。
 しかしこの能力はクセ者でもある。
    人によると先を読み悲観的になったり、攻撃的になったり、引きこもったりして不適応をいろいろ起こしてしまう…
 それを防ぐために、「今、ここにいろ! Be here now.」が解決策として提案された。
    ハーバード大学心理学の教授が、インドに行ってグルに会い、悟った境地がこれである。
    この考えを是とするか否とするか、それぞれの状況の中で見つけ出すものであろう。
 読めない未来の為に悩むのは、賢明ではない。
    Let it be.   ケセラセラ   風車 風が吹くまで 昼寝かな(広田弘毅)
    しかし読めない未来を読めないままに、ポジティブな夢を持って前進することは美しい。
    未来を今の活動に織り込んで、どんどん美しい成果を創りだそうではないか。
理事長 井上 健雄
