ルイス・キャロルの小説「鏡の国のアリス」(1871年発表)に「赤の女王」仮説なるものがある。
その中に、It takes all the running you can do, to keep in the same place.という言葉が語られている。
(訳)出来る限りの全力で走り続けて、やっと同じ場所に居られるんですよ…
この本を読んだ時、不思議な感じがした。
走れば違う局面に至る筈なのにと…
しかしよくよく考えてみれば当たり前のことだと分ります。
グローバル化の進展により、企業の外側の世界が、どんどん早く激変をしているからです。
例えば、平成の20年間位はほぼゼロ成長の時代であった。
良い企業は、年々3~5%成長くらいはしている。
業績の悪い企業は倒産したり、売上の半減や数十分の一に下げ、利益の方は赤字続き…
結局、世の中の成績のいい企業は3%成長しても、悪いグループで-2~3%ダウンしている。
ならしてしまえばゼロ成長となっている。
同じところ(売り上げや利益)に立つだけでも、必至の頑張りがあって、維持できるという訳なんですよね。
日本もかつて高度経済成長の時があり、毎年給料や業績が3割アップの時代もあった。
猫も杓子も潤った時代もあったのです。
これは人口がふえ続ける人口ボーナスの時代にあったのです。
現在は総人口が減り続ける、人口オーナスの時代に入っている。
人口オーナスの時代、平均寿命が上がれば、出生率が下がるのは人口問題のセオリーである。
ここで日本と欧州の人口予測を世界銀行に国連データから村上芽氏(日本総研)のデータで見てみる。
今、世界ではRCAが注目されている。
英国の美術系大学院大学で、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのことである。
RCAはQS※世界大学ランキングのアート・デザイン分野で世界一(2015年)に選出されている。
そしてここ数年、RCAは企業向けビジネスを拡大させつつある。
「グローバル企業の幹部トレーニング」を設け、フォード、ビザ、グラクソ・スミスクライン等々の将来を担う幹部教育を行っている。
もう遠い昔の2008年から、ハーバード・ビジネス・レビューは、The MFA is the new MBA.という記事を載せている。
企業において、MFA(Master of Fine Arts)美術学修士が求められているのである。
MBAで学ぶ分析的スキルより、MFAで学ぶ統合的コンセプチュアルスキルの重要性が高まっているのである。
時代は「真・善・美」なんだ。特に美意識が求められている。
ビジネス、学習、社会の組み立て、ソリューションもこの方向に進んでいる。
そういえば、ダイソンの創業者、ジェームズ・ダイソンもRCAでプロダクトデザインを学んでいる…
私たちも「美意識」をもって仕事を遂行しようではないか。