カテゴリー: 2017年

  • ビジネス力とは【12月】

    -テクニックをマスターし、スキルを磨く-

     先日、不思議なことがあった。
     目の検査を受けたのだが、動体視力が優れている5をマークした。(30代に比べてもやや優れていると)
     これはびっくり。
     毎日静止したパソコンを見、本を読み、書いているだけなのに。

     何事も自分の思いとは別に、身体の方は、勝手に良かったり悪かったりする。
     つまり自己認識を客観認識に移し変える能力がないと、自己錯誤や自信過剰などでケガをするということだ。
     そこで何をするにつけても「基本の反復」をしっかりやることである。
     例えば仕事なら、その仕事の「基本の反復」をしっかりやることで、自己認識のレベルが分るというものだ。

     ビジネスは、(基本)反復+応用という経験が最も大事なんです。
     その経験は、極限まで力を尽してのみ経験となる。
     ちゃらちゃらとやったというだけでは、経験とは言わない。
     そしてその経験に創造が加わることにより、パフォーマンスがあがり、それが自信となるのです。
     自信は、自分の中にひっそり存在するものでなく、オーラとなり相手に必ず伝わり、自分のパフォーマンス力を一層高めてくれるのです。

     ワード、エクセル、グラフが出来る、ホームページができる。
     これはビジネスの基本として大事です。
     しかし、テクニックだけで飯を食える訳ではありません。
     その技術を実務の中でどのように表現し、応用し、展開できるか。
     つまりその状況の中で正しい選択ができる能力-状況スキル-こそが、ビジネス力となるのです。

    この力でもって未来に臨もうではないか!

    理事長  井上 健雄

  • ふる暦から新暦へ【11月】

    うかうかと 年寄る人や ふる暦   芭蕉(注)不詳

     11月の声を聞きますと、来年のカレンダーが本屋さんに勢揃いです。
     年初にキラキラとしていたカレンダーも、11月ともなると、古びて何処か寂しげです。

     ボヤボヤとして年を取っていく人は、古カレンダーのように、来年には居場所がなくなってしまうこの頃です。
     農作物を中心とした社会では、正確な暦を持っているかそうでないかで、その民族の栄枯盛衰を左右したものです。
     中国、エジプト、アラビア、ローマ…など。
     ということですから、暦はどんどん進化してきた訳です。

     暦を進化させたのも人ですし、うかうかと古暦になってしまうのも人です。
     私たちも古暦にならないように、新しい暦を創りあげていかねばなりません。
     1年の新しい暦なら、新年度計画となりますし、3年位先までの暦なら、短・中期計画ですし、5年以上先まで見越したものなら、中・長期計画です。
     少なくとも短年度としての新年度計画を、ビジョンからプロジェクト、行動計画にまで展開したものを示すことです。

     この計画の時にまず留意すべきことは、「組織は強いから生き残るのではなく、適応するから生き残るのだ」ということです。
     つまり、変化対応をし続けている組織体こそが、生き残るというものです。

     次に必要なことは、
     一、今の事業ポートフォリオの見直し
     一、ITを戦略の核に据え、人の行動規範を変えてゆく
     一、重さのないサービス事業(例:第三者評価)の深掘り

     つまり、変化対応をベースにこれらの三点を、組織版・個人版として、チェックし、是正し、充実させていくべきなんです。
     こうした取り組みの前提に、一人ひとりの志こそが組織の成長であり、個人の成長となることを忘れてはなりません。
     志こそが組織の根幹であり、根源なんです。
     組織・人ともども新カレンダーに向かって挑戦です。

    理事長  井上 健雄

  • 自分の足で立つ【10月】

     物事の結果をコントロールする情熱をもって生れてくる、それが人である。

     ある地域の老人ホームで、大学による実験が行われた。
     それは、観葉植物を配り、それに水やりや面倒を見るようにと告げられた(A)グループと、観葉植物は施設で面倒を見るから放っておいて結構ですよという(B)グループの二つである。
     そして半年後

    死亡した人の比率
    Aグループ 観葉植物の世話をするグループ 15%
    Bグループ 何もしないグループ 30%

     もう一つの実験

    (A)学生の訪問について曜日、時間等希望を聴かれたグループ
    (B)学生が要望を聴かずに定期的訪問

    Aグループ 学生の訪問に要望を出したグループ 薬の服用が少なく健康
    Bグループ 学生の計画で定期的な訪問 薬をたくさん服用し不健康

     つまり、自分で状況をコントロールしている層が、死亡率も低く、健康的で薬も少なくしか飲まなかったのである。

     ところが、自分で状況をコントロールしていた層に悲劇が起った。
     この大学による実験が終った後、Aグループの死亡率がBグループよりも圧倒的に高くなったのである。
     自分で状況をコントロールしていると思っていた層が、本当は表層しかコントロールしていないことに気づいて対処していれば、こうはならずにすんだであろう。
     施設側も、もう少し深く考えればこんな不用意な実験を受け入れなかったかも知れない。

     人は本当に自分の足で立ち、歩き、そして自分の頭で考えて行動しているかを、しっかり問うべきである。
     自分の足で、自分の頭でという所を、デジタル化振興への取り組みから考えてみよう。
     自分の得意分野に集中しているだけでは、Aグループの最後に最悪の結果が出たように、集中分野の上位概念をしっかりコントロールする能力を涵養しておかないと、競争には勝てない時代に入っている。

     今、デジタルの世界は3層に分れ、それぞれが進化をしている。

     ①のICT層の上層の制空権は、もう日本勢は駄目であろう。
     トッププレーヤーとして、3Aと呼ばれるアルファベット(グーグル)、アップル、アマゾンがいる。

     ③の地上戦は、ドイツ、日本の得意分野(トヨタの改善は抜群に秀れている)であるが、上空、特に、中空を押えられるともう勝てない時代に入っている。

     そうすると、私たち日本の戦う分野は、②のICT-FAのインターフェース層を制することがポイントとなる。
     今後、FA層は、②の分野からFAへのファイアウォールを築くべきなのである。
     ②のこの層は、ドイツのシーメンスが一歩先んじているし、フィンランドはデジタルヘルスケアの実験を既に開始している。
     日本の強いFA層を活かす中空の制空権を手に入れることが、日本の成長のキーとなるのである。
     FA層が自分の足で立つということは、②のICT-FAを押えることなのである。

     こうしたグローバルな動きから、私たちの立ち位置を見直すことが、自分の足で立つということなのである。

    理事長  井上 健雄

  • 課題挑戦について【9月】

     世の中、いろいろな課題に満ちあふれている。

    A「売上げが足らない。頑張って契約取ってこい」
    B「○○の現状、今こんな問題を抱えている。我々はどう解決すべきか」

    <Aのケース>
     日常的な問題で、頑張れ頑張れ…で答えが出るかも知れない。
     しかし、この売上げが足らないのが何年も続いているのなら、その仕事が時代に向きあえているのか、顧客の為のソリューションを提供できているかを、真剣に考えねばならない。

    <Bのケース>
     これはなかなか構造的な問題であるので、本格的に『なぜなぜ5回』を繰り返さねばならないと思うかも知れない。
     しかし、これは解答しようと思う人が、問題を本当にチャレンジすると足もとを掬われるかも知れない。
     なぜなら、課題設定者は、深い本質まで入り込み課題解決を期待していないケースが多々あるからである。
     つまり、本質の問題に入ると、自分たちがその本質にどう取り組んでいたかが問われるからである。
     こうした人たちは、本質に手をつけず、手近な改善だけの答えを待っているに過ぎないかも知れない。

     こうした例が、単に民間の一企業とかであれば、それはその企業が波間に沈むことで新陳代謝が進むから、それはそれで結構である。(本当は良くないが…)
     しかし、この本質に手を染めず、適当な所でお茶を濁そうとするのが地方行政や国であった場合、困るのは市民であり、国民なのである。

     <Bのケース>にあげたものは、単純かも知れないが、これこそが改革派と岩盤規制の守旧派の争いだとすると、改革派は不利である。
     なぜなら、圧倒的に多いのが守旧派であるからである。

     今回の加計問題は、この様相とは異なるかも知れない。
     特区というものを創り、変革を起こそうとする本物の活動なら、それは賞賛すべきかも知れない。
     しかし、獣医学部の新設位を特区でしか取り組めないのなら、日本は腐ってきているとしか言いようがない。
     こんな状況で、世界に伍していける学生を日本は、ひきつけることが出来るのだろうか。
     若い優秀な学徒は、ハーバードやMIT、ケンブリッジ、オックスフォード、インド工科大学等々へ出かけてゆくに違いない。
     学んだあとに帰るべき国が、日本となるかどうかだ。

     今こそ、若い人たちに魅力ある国、まち、学校、コミュニティを創らねばならない。
     現代の閉塞状態を破るには、やはり一人ひとりが改革の手をあげることから始めるしかない。
     新進の人々は、私たちは、挫折を恐れずにどんどんプログレスしようではないか。
     この前進が、守旧派を乗り越えていくと信じながら。

    理事長 井上 健雄

  • 新しい時代の曲り角のために【8月】

     前月に紹介しました製品としての「氷」は、アイス1.0からアイス2.0、そしてアイス3.0の世界に入っています。
     製品、商品というものは、いつも新しく創られたり、提供の仕方等々、日々変化に遭遇する時代に入っています。

     そこで新しい時代の曲り角へ飛び移るための製品・商品の備える枠組のDICEEを紹介しよう。
     Guy Kawasakiによる。

    Deep(深い)

    顧客が最初気づかないような機能や特徴を持つ。
    どんどん使えば、深く、いろいろな楽しみ方ができる等、満足できるサービス機能を多く持っている。
    (例)スマホ

    Intelligent(知的)

    つくったものが人々の悩みや問題を理解していることが分かるものを提供する。

    (例)フォード自動車は「マイキー」というオプションシステムを開発しており、親が子供に車を貸す時、速度やステレオの音量の上限を設定できる。

    Complete(完全)

    革新的な製品は、たんなるデバイス、ウェブサービスだけでは終わらない。
    ワンストップショッピングならぬワンストップサービスとして完結出来るものである。

    (例)キンドル・ダイレクトパブリッシングは電子書籍の販売、オンデマンド印刷、出版サービス、マーケティングサポートなどが含まれている。

    Empowering(力をもたらす)

    革新的な製品は、生産性ばかりでなく創造性まで高めてくれる。
    その製品・商品といると元気になれるようなものでなければなりません。
    (例)マッキントッシュ

    Elegant(エレガント)

    パワーがありながらシンプル。
    何があるかではなく、何がないかがポイントとなる。
    ノイズを回避し、デザインやユーザーインターフェースにこだわりを持つ。

     このDICEEクエッションに応えられるなら、あなたの商品、あなたの仕事は、次の曲り角への飛び移りは成功するだろう。
     「深く幅広いDICEEクエッション」をお忘れなく。

    ※Guy Kawasaki: アップルのチーフエバンジェリストなどを経て、オンラインデザインサービスのキャンパのチーフエバンジェリスト、カリフォルニア大学バークレイ校で教鞭もとる。
    1,000万人を超えるソーシャルメディアフォロワーを持つ。

    理事長  井上 健雄

  • 「氷」【7月】

     暑い。とけそう~~~……。
     「温暖化の酷暑ここに至れり」と思う。

     日本には、もっとしっかりした四季がありました。

    春一番 木々は根を緊め おのれ鳴らす(憲吉)
    夏立つや 衣桁にかはる 風の色(也有)
    目に青葉 山ほととぎす 初鰹(素堂)
    秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる(藤原敏行朝臣)
    こがらしや 広野にどうと 吹き起こる(蕪村)

     こうした四季はあるにはあるのですが、四季なので3ヵ月ごとの交代と思っておりました。
     今や、夏のシェアが、50%になるかの勢いです。
     人々の心待ちする春・秋が、短くて残念です。
     かつての一年に比べ、損している気がします。
     慰めは暖冬化により冬が、過しやすくなっていることでしょうか。
     雪月花の雪に乏しい関西では、雪を愛でる風流は、北の国まで足を伸ばさねばなりません。
     子どもの頃、私たちの身の回りにあった四季は、何処へ行ったのでしょう。

     夏に文句を言っても始まりません。
     そこで、「氷」で頭も体も冷やしましょう。
     この氷、19世紀初め頃には、ニューイングランド州の寒い寒い所の凍った湖や池から氷を切り出して、切り出し氷が良く売れて、寒い地方が栄えました。
     これがアイス1.0の世界です。
     そして次は製氷屋さんが、シーズンに関係なく水を凍らせて氷を作り、トラックで運び売りました。
     アイス2.0の世界です。
     次に電気冷蔵庫の登場です。各家庭で氷がつくれるようになりました。
     アイス3.0の世界です。

     この氷の歴史を見ていると、ぞ~っと寒くなりません。
     アイス1.0で栄えた人は、アイス2.0の世界では成功しておりません。
     アイス2.0の世界で儲けた人が、電気冷蔵庫を開発した訳ではありません。
     「氷」を売るとしても、新しい時代にどのようにしてその氷を提供するかなんです。
     商売繁盛を極めている時に、次のアイスに向けてスタートしているかなんでしょう。
     皆さまも今の仕事の次の仕事を考えていますか。
     いつも私たちは、新しい時代の曲り角の手前にいるということを忘れてはなりません。

    (注)下線について、8月の挨拶をご覧ください。

    理事長  井上 健雄

  • 土手坊主【6月】

     子供のお守りをして稼いだ金で売れ残りの松の苗を200本買い、土手に植えた子供がいた。
     育ち具合が心配で、いつも土手を見ていた。
     人はそれを見て笑い「土手坊主」とあだ名した。

     もう一つ。
     精米をする時、足で杵を押しながら臼のまわりを歩いて本を読んでいる子がいた。
     1回りすれば一節を読み了えるというもの。
     そこでのあだ名は「ぐるり一遍」であった。

     ある時は、本を読みながら歩き、時には大声で読誦したりしている変な子がいた。
     あだ名は「キ印金さん」と呼ばれた。  ※天明の頃です。差別用語ではありません。

     サァみなさんは、何回目のあだ名でこの人が分りましたか。
     天明7(1787)年7月23日生。
     いわゆる天明の大飢餓の頃に生を受けたのである。
     5歳の頃、酒匂川(さかわがわ)氾濫、田畑の大半が流失する等、極貧を経験。
     報徳思想をもって貧しい農家や藩財政の立て直し等、日本が世界に誇るべき英雄であります。
     この三つのあだ名の持ち主こそ、二宮尊徳である。

     この土手坊主が、酒匂川に200本の松の苗を植えた時、13才である。
     氾濫防止としての植樹である。
     なんという慧眼の士であったことか。
     私は尊徳さんを尊敬している。
     追い追い、この小文で、報徳思想の一端を紹介したいと考えている。

    ……
    身命の長養は衣食住の三つに在り
    衣食住の三つは田畑山林に在り
    田畑山林は人民勤耕に在り
    今年の衣食は昨年の産業に在り
    来年の衣食は今年の艱難に在り
    年年歳歳報徳を忘るべからず

     どうです。この縦軸思想は心に沁みますね。
     過去があり、現在があり、そして未来がある。当り前だけど凄いな。
     思えば、私が、大学入試の時「独立自尊」について考える所を記述せよというものがあった。
     この福沢先生の思想は、尊徳さんの「わが道は人の心という田畑を開墾することなり」の「心田開発」に非常に近しいと考える。
     あぁ昔が懐かしいな……

    理事長  井上 健雄

  • 福のかたち【5月】

     ここにある一つの果樹がある。
     20個の蕾がつきました。

    (a)「いいぞいいぞ、全部大きくなってくれ!」

    ・20個の実が取れます。

    (b)「果樹さんありがとう。少し大変でしょう。7~8輪を摘みましょう」

    ・12~13個の実が取れるでしょう。

     私たちは、(a)のケース(b)のケースどちらを選びますか。
     私は(b)を選びたい。
     これが「惜福」という考え方です。
     なぜなら

    (1)数は少なくなるが大きな実がとれる
    (2)果樹を疲れさせず、来年も元気に実をつけてくれるでしょう

     今にすべての成果を求めれば、明日にその力が続くかどうか、考えるべきなんでしょう。
     そして摘果したものを地の栄養とするも一つだし、その摘果物(例えばみかん)は摘果のものにこそ、ヘスペリジンという機能物質があり、アレルギーに効果的という情報から産学連携の取り組みもあるでしょう。
     摘果のお裾分けもあり、これは「分福」です。福を、土さんに、またアレルギーの人に、また隣人に分けることになります。
     そして「植福」というものがあります。
     これは、ある学問の機会のなかった人に、学問の手解きをしてあげる。
     そして、学校に通えるようにしてあげる……
     今、はやりのSDGs17の4番目のQuality Educationになります。

     新しい福をつくってあげる。
     また今、芽ばえようとしている福の手助けをしてあげる。
     私はこの三つの福に、上下も何もありません。
     個人的な生き方は、惜福に生き、少し大局観が出てきた時に小局着手の分福を考える。
     そして人の幸せという観点から植福に心がけます。
     これは時間がいるものですが、一つひとつ植えていければと考えています。
     サァ!頑張るぞう!

    理事長  井上 健雄

  • 16年目に入りました!【4月】

     お陰様で、イー・ビーイングは、この春で16年目に入ります。
     みな様、感謝一杯です。

     「少年老い易く、学成り難し。一寸の光陰軽んずべからず…」
     青雲の志を抱き、勤め人を早めに辞して15年。
     少年は、髪に霜を置くまでに至りました。

     親方日の丸(会社)時代は、「瞬発力で成果をどんどん求める旅」でしたが、NPOとなると、人々の理解を得ることに、また行政の方々と一つひとつの了解の積み重ねや、すり合わせ等の「持粘力を育てる旅」となりました。
     瞬発力から持粘力へのギアチェンジは、なかなか厄介ですが、持粘力こそが、今後どの事業にとっても成否の鍵となるでしょう。
     その為にも、高邁な精神を磨り潰されない様に、風景や紆余曲折を楽しむ心境を育ててきた、15年とも言えます。

     『坂の上の雲』を見つめてきた時代と異なり、『坂の下の泥濘(ぬかるみ)』に気をつける、人口オーナス・低成長・格差社会に入っています。これが私たちの置かれた新常態です。
     こうした時代だからと言って、おじけづいてはなりません。
     こういう時だからこそ、「今までより勇敢にチャレンジし、一日いち日というチャンスを歴史の一頁にするべき」だと思います。

    理事長 井上 健雄

  • 2017重点課題 ~食料、AI、クリエーション~【1月】

     大異変でも起きなければ、2017年、私の読みはこうである。

    国内経済 GDP成長率 0.5~1%伸び
    為替   1$→115円
    株価   20,000円(高値)

     冒頭のエクスキューズをつければ、何も「読み」じゃないじゃないか!とお??りを受けそうですが、平常ならこういうことですという主張です。
     つまんない……とお考えでしょう。
     が、どの位が標準レベルかと掴んでいれば、修正も対応も出来ます。
     読みなしの臨機応変は、単なるうろつきの彷徨にしかなりません。

     社会的雰囲気として、どんどん荒(すさ)み、格差が広がっています。
     しかしまだ、リカバリー・ショットが打てる時代です。
     つまり、今生きる人の、また企業の志が、問われています。
     私たちにとって、今年度を含めこれから重要と考える三つを紹介します。
     食料、AI、仕事のクリエーションです。

     食料は、地球環境の温暖化に伴なうどか雨、干天、異常気象…等々、自然に寄り添う農業の不確定要素が増えています。
     そこで、ハウス栽培や完全閉鎖型植物工場の取り組みも必要となります。
     勿論、自然に寄り添う農業も一工夫、二工夫して臨まなければなりません。

     AIは、まずホワイトカラーのパフォーマンス向上の鍵となります。
     その為にはオフィスすべての仕事をタテ、ヨコ、ナナメから、分析し統合し、仕事のトータルパフォーマンスを上げるAIデザインが必要です。
     AIのシンギュラリティーは、もう到来しているのです。

     最後に、どんなに頑張ろうとも、今までにない取り組みなしに将来の展望は開けません。
     そこで、クリエーションです。
     大構想から小工夫までいろいろありますが、チームとしてクリエーションを積み上げれば、画期的なソリューションがやってくることは確かです。
     灰色予測を持ちながら、ポジティブに前進する。
     これが粋というものです。
     今年度、この三つのキーワードをベースに知的に励み、新しい展望を創りあげましょう。

    理事長  井上 健雄

  • 謹賀新年【1月】

    1701

    初夢に見たいもの
    一富士、二鷹、三茄子とあります。
    一・二は分かるんですが、なぜ茄子(なすび)かと…
    一説に、家康が駿河の国の自慢としたものとあります。

    私は素直に、一(富士)無事丈夫で、二(志)高く、三(事を)成すと読みたいのです。
    この意味を、みなさまにお贈りしたいのです。

    異常なことが常態となる「新常態」の時代です。
    器局を育て敬戒に生きたいと祈念します。

    みな様の徳に輔けられ、見識に導かれ、深敏さを高めていければと思っております。
    本年もよろしくご指導、ご励声お願い致します。

    理事長  井上 健雄