カテゴリー: レポート

  • 食品ロスについてのアンケート集計結果

    2025年2月21日サキシマMeetsにて、食品ロスについてのアンケートを実施しました。

    ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

    仕事帰りの食品ロスについて、思い当たる方がたくさんおられます。

    特に、接待するとき、されるときの心遣いや遠慮が、食品ロスの原因になってしまうことが多いようです。

    自宅の食糧事情でも、「あるある」がいっぱいあります。

    身近なところで、できることから、やってまいりましょう!

  • 【レポート】まちのなかで自然とつながるセミナー 第3回

    11月24日(土)10:00から「まちのなかで自然とつながるセミナー」第3回を開催しました。

    <森とつながるセミナー>
    今回は木のロボット ロボッキーが登場する物語から始まりました。
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    木でできたロボット「ロボッキー」と げんきくんが
    どんぐりちゃんのお母さんを 探しに森のなかを冒険する物語です。
    二人は森でいろいろなことにであいます。 無事にお母さんにあえるかな?
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    クイズもあります。
    この部屋で木をつかっているものはどれでしょう?
    床、机、ロボッキー…たくさんありましたね。
    山と森を守るためには、木をたくさん使ってください、という米地先生のメッセージが伝えられました。

    <木をつかおう! ワークショップ>
    寄木のモクセサリ
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    木によって色合いが違います。
    様々な種類の木で、寄木モクセサリのパーツが用意されていました。
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    作品の見本も沢山あります。
    自分の好きなモクセサリを作るパーツを選びました。
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    組み合わせてボンドで固定します。

    電気ゴテでイニシャルなどを入れることもできます。

    すてきな寄木モクセサリの完成です。

    <菜園でかんさつ>
    ATCのどこでもファームは9月の台風21号で損壊の被害を受けました。
    壊れたラックの修理をしてサツマイモ、ジャガイモ、天王寺蕪、田辺大根を育てました。
    被害の後、しばらく面倒を見られなかった時期もあったのが残念です。
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    まず、いつも菜園の指導をしてくれる林さん、松岡さんから野菜のお話を聞きました。
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    野菜は気候によって成長が大きく左右されます。
    今年のように、猛暑が続き、台風が直撃すると、野菜もずいぶんダメージを受けました。
    思うような大きさにはなりませんでしたが、
    それぞれの野菜たちが懸命に生きた結果を観察し、収穫しました。

    小さいカブも、ダイコンも、サツマイモも、とっても大切な収穫です。
    みんなで収穫し、きれいに洗いました。
    命が育っていく過程の一つをみんなで学びました。

     

  • 【レポート】まちのなかで自然とつながるセミナー 第2回

    8月25日(土)10:00から「まちのなかで自然とつながるセミナー」第2回を開催しました。

    まずは「森とつながるセミナー」です。
    木を切るのは悪いこと?
    元気な森をつくるためには、どんなお手入れがいるのかな?
    講師の木育フォーラム 米地先生が、スライドを使って分かりやすく教えてくれました。

    つづいて「木をつかおう!ワークショップ」
    今日は「コロコロ貯金箱」を作ります。
    米地先生に作り方を教えてもらいながら、まずは本体を組み立てます。
    上手にくぎが打てるかな?

    本体ができたら、コインを転がすレールを作ります。
    どんなルートにしようかな? 最後はちゃんと箱に入るように…
    何度もコインを転がしながら、納得がいくまでこだわります。

    最後に、飾り付け。
    色を塗ったり、薄い木のシートをいろんな形のパンチで抜いて、貼り付けます。
    ついつい横から手を出すお母さんも!
    みんな素敵な貯金箱ができました。

    屋外に移動して、どこでもファームで菜園体験。
    教えてくれるのは、育みの会の林先生、松岡先生です。
    少し前に台風が来たので心配しましたが、元気に育っていて、ひと安心。
    大きくなったピーマン、シシトウ、ラディッシュをみんなで収穫します。

    続いて、ジャガイモを植えつけます。
    林先生に植え方を教わりながら、穴を掘って、種イモを埋め込みます。
    おいしいジャガイモができますように!

    「まちのなかで自然とつながるセミナー」第3回は、11/24(土)。
    秋やさいの収穫をしたり、「寄木モクセサリ」を作ります。
    どうぞご参加ください!

  • 【レポート】まちのなかで自然とつながるセミナー 第1回

    7月29日(日)10:00から「まちのなかで自然とつながるセミナー」第1回を開催しました。
    台風12号の影響で開催が危ぶまれましたが、なんとか雨も上がり、暑い日になりました。
    <森とつながるセミナー>
    講師の木育フォーラム 米地先生のクイズから始まりました。
    日本の面積の中で森林は何パーセントくらいでしょうか?
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    答えは、約7割。先進国の中でも森林大国です。

    50年前と比べて、日本の森は増えているでしょうか?減っているでしょうか?
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    答えは、同じくらい。
    森の木が減っているわけではありませんね。
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    森では、間伐などの手入れをすると元気な森に育ちます。
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    手入れのいき届いた森(左)は明るく、下草も生えていますが、
    行き届かない森は暗く、地面がむき出しになっています。
    雨が降るとすぐに表土が流されて、木が倒れ山崩れを起こす原因になります。
    手入れをする資金のためにも、国産材をたくさん使ってくださいね。というお話でした。

    続いて、色も重さも違う8種類の木が配られました。
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    米地先生からのヒントをもとに、木の名前を当てます。
    例えば、「桐(キリ)はどの木かな? 白くて、水に浮くくらい軽く、湿気を通しにくいのでたんすの材料にも使われます。」
    手触りや、色、重さなどを参考に、8種類の中から選びました。
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    たくさんの種類の木があり、特徴を生かした用途で使われていることがわかりました。

    <木をつかおう!ワークショップ>
    大阪府産材を使った、フォトフレームを作ります。
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    フォトフレームの台をみがいてつるつるに仕上げ、木の皮を型抜きした装飾を施し、
    写真を留める木ネジを4ヶ所に埋め込みます。
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    オリジナルフォトフレームが完成しました。

    <菜園でかんさつ>
    この夏は高温が続いています。
    余りの暑さで、夏野菜の成長が悪くなりました。
    気温が高すぎて花粉を運ぶハチの活動も鈍っているようです。
    そんな中ですが、ミニトマト、ピーマン、シシトウ、ラディッシュの観察と収穫体験ができました。

    「まちの中で自然とつながる」セミナー第2回は8月25日(土)に開催予定です。

     

  • 【レポート】まちのなかで自然とつながるセミナー 第2回

    7月29日土曜日10時から、まちのなかで自然とつながるセミナー第2回を開催しました。
    今回はとても盛りだくさんな内容で、多数のみなさんに集まっていただきました。

    まずは、「身近な自然を楽しもう」というテーマのもとに、よもぎを使った草木染にチャレンジしましょう。
    講師は育みの会の林先生と玉木先生です。
    子どもさんに渡したハンカチ用の白い布を絞って、ひもでぐるぐる巻きにします。
    はずすと、ひもで巻いたところが白いままで、面白い模様ができます。

      

    布に名前をつけて、草木染をするために、セミナールームからどこでもファームに、全員移動します。

    どこでもファームの一角にお湯をかけたコンロと水を張ったバケツを用意しています。
    お湯の入った深鍋に、まずは大量のよもぎの葉を入れて、よもぎの色素を煮出します。
    よもぎを入れると、よもぎ餅と同じような、美味しそうな匂いがあたり一面に広がります。思わず、おいしそう!と率直な声が聞こえてきました。
    ハンカチ用の布はバケツに入れて、水にしっかり浸しておきます。

      

    よもぎを煮出してる間に、今日の2つ目のミッション、「どこでもファームで菜園体験」です。
    ミニトマト、ピーマン、シシトウ、ナスビ、オクラなど、5月に植えた苗たちが花をつけ、たくさん実っています。

      

    野菜を自分の手でとったことって、あるかな?
    ワクワクドキドキ、子ども達は興味深々です。
    野菜がどんな風に生っているのかも観察します。
    特に珍しいのがオクラかもしれませんね。

      

    夢中になって野菜を収穫している間に、よもぎの草木染の用意ができたようです。
    さあ、皆さん集って!林先生がよもぎを煮出した染液にの中に、発色と固着をうながすために塩化第一鉄を入れます。
    適切な温度に調節してから、水につけてた布を全部入れて、30分くらいしっかり浸します。
    しぶーいオシャレな色に染まりそうですね。

     

    再びセミナー室に戻り、本日最後のミッション、「木をつかおう!ワークショップ」に取り組みます。
    講師はNPO法人木育フォーラムの米地先生と辻先生です。
    辻先生から、間伐材(山の手入れででた木)を使う貯金箱作りの説明を聞きます。
    10個くらいの木の破片を組み合わせて、ロボット型の貯金箱を作ります。

      

      

    木の皮を、いろんな形のパンチで切り抜き、組み立てた貯金箱に貼っていきます。
    パンチで切り抜くのは固いけど、みんな一生懸命です。

    材料の木の破片の数と種類は同じですが、子どもの個性と同じく、いろんな形の貯金箱が出来上がりました。
    うさぎ型?ポニーテールの女の子型?こぶた型?
    さまざまな貯金箱ができあがり、皆さん大満足でした。

     

    最後に、さきほど染めたハンカチを持って帰ってもらいました。
    家に帰ってから、水洗いをして干せば、草木染のハンカチが完成!
    大事に使ってくださいね。

    第3回は、11月25日(土)10時~12時
    おおさかATCグリーンエコプラザ集合
      どこでもファームで体験しよう
        ・秋やさいの収穫
      森とつながるクラフト
        ・「どうぞのいす」つくり
    申込受付中!

  • まちのなかで自然とつながるセミナー 第1回

    5月20日土曜日10時から、まちのなかで自然とつながるセミナー第1回を開催しました。

    会場のおおさかATCグリーンエコプラザのセミナールームに、小学校低学年くらいまでの子どもさんと保護者の方が次々到着。
    始まる前は、面白いタネの観察ができました。

      

    なにわの伝統野菜「玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)」と「勝間南瓜(こつまなんきん)」、緑のカーテンができる「ヘチマ」など。
    虫メガネで観察するだけてなく、「お家で育てるのにもってかえってもいいよ」とのうれしいお言葉もありました。

    いよいよ始まり。
    まずは森とつながるセミナー、講師はNPO法人木育フォーラムの米地先生と谷先生です。
    森の木を切ることは悪いこと?いいえ、元気な森に育つためには木を切って手入れをすることが大切です。そして切った木は、みんなで使うことが大切ですというお話。

      

    木のクイズもあります。8種類の木のなかで、ヒノキはどれ?タモは?キリは?…全問正解グループは素敵なプレゼントをゲット。

      

    つづいて、菜園体験。講師は育みの会の林先生と松岡先生です。
    ATC2階の海沿いテラスに出て、ミニトマト、ナスビ、ピーマン、シシトウの苗を植えました。第2回の7月29日までに実ってくれるかな?

      

    お家で育てられるミニトマトの植え方も教えてもらいました。

    そして、秋から冬、春までじっくり育ってきたタマネギの収穫です。
    タマネギって、土の上は青ネギとおんなじように青々した葉っぱが伸びています。
    根元をもってぐいっとひっぱると、立派なタマネギが現れました。

      

    さて、手を洗って、セミナールームに戻ります。
    次のお楽しみは、桜のお箸づくり。

     

    お箸の材料を自分好みの丸みや太さにしていきます。目の粗いサンドペーパーでごしごし、次に少し細かいサンドペーペーでごしごし、そして細かいサンドペーパーでごしごし。
    2本のお箸の太さや丸みが揃うように気をつけて。

       

    最後にクルミの油で磨いて仕上げます。

     

    手が疲れた…でもお箸ができた!
    保護者の方にアンケートにお答えいただく間、松岡先生が牛乳パックの竹トンボの飛ばし方、作り方を教えてくれました。

     

    盛りだくさんで楽しかったですね。

    参加者から寄せられた感想の一部をご紹介します。
    保護者の方より

    • 息子にとっても親の私にとってもすごく楽しくてワクワクドキドキしたセミナーでした!経験値UPありがとうございます。
    • 様々なクイズで木の種類を知りました
    • 木を切ることはよいことだ!
    • タマネギの収穫は初体験で印象に残ります
    • 子どもがとても楽しそうでした。

    子どもさんより

    • たのしみにしていて、たのしかった
    • たまねぎがたのしかった
    • ナスビのはながきれいだった
    • とてもたのしかったけと、おはしづくりがこんなにたいへんだとはおもわなかった
    • 竹とんぼがはじめてでたのしかった

    第2回は、7月29日(土)10時~12時
    おおさかATCグリーンエコプラザ集合
      どこでもファームで体験しよう
        ・ヨモギで草木染
        ・夏野菜収穫
      森とつながるクラフト
        ・間伐材の貯金箱づくり
    申込受付中!

  • 森まなび塾。「3月の連休は、吉野で森林ボランティア&森のめぐみ体験を!」

    イー・ビーイングでは、「ドコモ市民活動団体への助成金」を受けて、「森まなび塾。」を実施しています。

    2016年3月19日~20日、奈良県吉野町にて第1回を実施しました。
    (プログラムなど詳細はこちら → ちらし(PDF)

    当日の様子をご覧ください!

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    1日目のスタートは手漉き和紙の里「国栖(くず)の里」へ。
    古来からの伝統技法を守る福西和紙本舗へおじゃましました。

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    さっそく手漉き体験!
    文化庁 選定保存技術保持者のご主人、福西正行さんに手伝ってもらいます。
    簡単そうに見えますが、ひとりではちっともうまくできません。

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    木の葉や和紙、色水で思い思いの模様をつけます。
    みんな真剣!
    できあがるのが楽しみです。

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    福西さんから、国栖の里の歴史や文化、和紙について教えていただきます。
    最近は地球温暖化や害獣の影響で、原料を手に入れるのも難しいそう。

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    草木染の和紙は、ためいきが出るような美しさ。
    最近は海外からの視察や注文も絶えないそうです。
    守っていきたい大切な文化ですね。

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    続いて国栖の里が見渡せる高台へ。
    連なる山々、清らかな川の流れ、肥沃な大地…
    豊かな自然に支えられて文化が育まれていることがよく分かります。

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    本日のお宿、太鼓判花夢花夢さんにて、こんにゃく作り体験。
    ご主人の東利明さんより、こんにゃくの歴史や作り方を教わります。

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    蒸してミキサーにかけたこんにゃく芋に灰汁を加えて、しっかり混ぜます。
    手早く、まんべんなく混ぜるのがコツ。

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    できたてを茹でてもらって、さっそくパクリ!
    おいしくできたかな?
    スーパーで売っているこんにゃくとは、味も食感も全然違います。

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    夕食の後は、東さんによる吉野の歴史や森のめぐみと観光のお話。
    情熱たっぷりのお話しに、時間を忘れて聞き入ってしまいました。

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    吉野の朝は、澄み渡った空気を切り裂く蔵王堂の鐘の音で始まります。
    宿泊者のみ参拝できる、朝の勤行。

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    吉野中央森林組合 専務理事の坂本良平さんによる、吉野林業のお話し。
    吉野杉はたくさん植えて(密植)たくさん間伐することで(多間伐)、まっすぐで目の詰まった良い木材になるそうです。

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    坂本さんと森林組合の皆さんのご指導のもと、杉と檜の間伐体験。
    40年生ほどの木を、のこぎりで切り倒します。
    何本間伐できるかな?

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    森の中はひんやり、いい香りでいい気持ち。
    急斜面を滑り落ちないように、慎重に下りていきます。

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    吉野では切った木を斜面の上側に倒すので、まずは木をひっぱるためのロープかけ。
    ゆるめに結んだロープを振って、できるだけ上の方に…
    あれ?上がらない…落ちてきちゃった!難しい!!

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    いよいよ切り倒します。
    倒す側に受け口を作って、反対側からひたすら切り進めます。
    細いように見えても、なかなか切れません。

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    ついに倒れました!
    切り口からはすがすがしい香りが立ちのぼります。
    このあと、チェーンソーで豪快に切り倒す実演も見せていただきました。

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    汗をかいた後は、見晴らしの良い高台でお弁当。
    花夢花夢さん自慢のセラピー弁当は、吉野のごちそうがぎっしり。

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    吉野の木材で建てたモデルハウス「吉野サロン」へ。
    いろいろな種類の木が使われていて、築5年ですが、まだ良い香りでいっぱいです。

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    吉野サロンのオーナー、阪口製材所の阪口浩司社長。
    吉野の木材を使った家を広めるために、設計者、施工者、専門業者をコーディネートしていらっしゃいます。

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    木の香りとぬくもりあふれる住まいは、帰りたくなくなる心地よさ。
    将来はこんな家を建てたいなあ!

    最後は花夢花夢さんのお風呂で汗を流して、楽しかったセミナーは終了。
    盛りだくさんで大満足の2日間でした。

    第2回「森まなび塾。」は7月に行います。
    ぜひお越しください!

  • まちの自然を10倍楽しもうセミナー 第3回

    イー・ビーイングでは、「平成27年度 大阪市市民活動推進助成」を受けて、「まちの自然を10倍楽しもうセミナー」を実施しています。

    2016年3月5日、大阪南港ATCにて第3回セミナーを実施しました。
    (プログラムなど詳細はこちら → ちらし(PDF)

    当日の様子をご覧ください!

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    まずはセミナー「ちょうちょも昆虫もとまどっている」で地球温暖化について教わります。

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    講師は大阪府立大学の石井先生。
    すでにちょうちょやセミの分布が変わってきていることなど、身近な例をとりあげて、分かりやすく教えてくださいました。

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    虫めがねで種の観察。
    丸い種、平べったい種、トゲトゲの種…
    何の種か分かるかな?

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    みんなで答え合わせ。
    トゲトゲの種は、動物にくっつくためにトゲトゲになったそうです。
    植物って、かしこい!

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    植物のことならおまかせ!林さんと松岡さん。

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    外に出て、どこでもファームでコマツナとホウレンソウの種まき。
    ちっちゃい種、上手にまけるかな?

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    たくさん芽が出ますように!
    どこでもファームに成長の様子を見に来てくださいね。

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    5感で自然を楽しむネイチャーゲーム、始めるよ!
    リーダーの數井さんと西さんに続け!

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    木の中の色を探してみよう。
    おんなじ緑でも、よく見るとちょっとずつ色が違うね。

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    自然の中に隠されたニセモノ探し。
    あれは本物?ニセモノ?
    お父さん、お母さんも夢中!

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    すぐ見つかったニセモノと、なかなか見つからなかったニセモノの違いは何かな?
    周りの草や木にそっくりな色のものは、見つかりにくいね。

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    聴診器で木の音を聞いてみよう!
    よ~く耳を澄まして…
    どんな音が聞こえるかな?

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    最後はおなじみ、落ち葉の窓づくり。
    私だけのこだわりの1枚ができたよ!

  • まちの自然を10倍楽しもうセミナー 第2回

    イー・ビーイングでは、「平成27年度 大阪市市民活動推進助成」を受けて、「まちの自然を10倍楽しもうセミナー」を実施しています。

    2016年1月30日、大阪南港ATCにて第2回セミナーを実施しました。
    (プログラムなど詳細はこちら → ちらし(PDF)

    当日の様子をご覧ください!

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    今回もたくさんの親子連れにご参加いただきました。
    まずは地球温暖化について教えてもらいます。

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    講師は名古屋大学の夏原先生。
    できるだけ子供さんにも分るように、やさしくお話しいただきました。

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    続いてシニア自然大学校の松岡さん、林さんによる野菜のお話。

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    みんながいつも食べている野菜は、植物のどの部分かな?
    レタスは葉っぱ、ニンジンは根っこ…
    野菜マグネットを貼ってみよう!

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    小さな野菜博士発見!
    タマネギは葉っぱって知ってた?

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    どこでもファームでなにわの伝統野菜「天王寺蕪」と「田辺大根」の収穫。
    子どもも大人も夢中!

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    どれが大きいかな?
    根元をしっかり持って引っ張ります。

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    見て!立派な蕪がとれたよ!

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    小さなラックでも、たくさんの蕪と大根がとれました。
    お土産に持って帰ってもらいます。

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    続いては五感で自然を楽しむネイチャーゲーム。
    まずは動物あてクイズでウォーミングアップ。

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    ネイチャーゲームリーダーの數井さんと井上さん。

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    身のまわりのいろんな自然を見つける「フィールドビンゴ」
    風を感じる、太陽の暖かさを感じる…
    いくつ見つかったかな?

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    気に入った自然の色をカードにうつしとる「かさね色」
    この花の色にぴったりの折り紙は…これ!

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    私だけの「色」ができたよ。
    どんな名前をつけようかな?

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    最後は恒例の「落葉の窓」
    お家でも自然を感じてくださいね!

  • 事業系ごみ減量セミナー

    大阪市環境局主催

    第1回 オフィスにおける2R活動の推進

    オフィスにおける2R活動(リデュース・リユース)の推進

    京都大学 環境科学センター 助教 浅利 美鈴 氏

    事業系廃棄物の排出実態からみるごみ減量の取り組みについて

    大阪市 環境局 事業部 一般廃棄物指導課長 宮崎 善春 氏

    上島珈琲貿易株式会社における環境経営とその取り組み(3Rを中心にして)

    上島珈琲貿易株式会社 代表取締役 上島 淳史 氏

    株式会社イムラ封筒における2R(リデュース・リユース)の取り組み

    株式会社イムラ封筒 総務部 CSR課長 河合 忠祐 氏

    Loops活用におけるコピー用紙のリユースについて

    東芝テック株式会社 リテール・ソリューション事業本部 野村 護 氏

     

    第2回 事業系ごみ減量のメリットセミナーとリサイクル施設の見学会

    事業系ごみ減量のメリット~コスト削減を超えた+αの実現へ~

    :大阪産業大学 人間環境学部 教授 花田 眞理子 氏
  • まちの自然を10倍楽しもうセミナー 第1回

    イー・ビーイングでは、「平成27年度 大阪市市民活動推進助成」を受けて、「まちの自然を10倍楽しもうセミナー」を実施しています。

    2015年11月21日、大阪南港ATCにて第1回セミナーを実施しました。
    (プログラムなど詳細はこちら → ちらし(PDF)

    当日の様子をご覧ください!

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    まずは地球温暖化について教えてもらいます

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    講師は大阪管区気象台の西村修一さん

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    子どもさんにも分りやすいお話し、みんな熱心に聞き入ります

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    楽しい実験コーナーも
    ペットボトルの水にCO2を入れて振ると…どうなるかな?

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    こんなにへこみました!
    水はCO2を吸収することが分かります

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    お話しのあとは、いよいよ外へ
    まずはどこでもファームで野菜の観察

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    タマネギの苗を植え付けます
    初めて見た! どうやって植えるの?

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    あっという間にラックいっぱいに大きくなりますように!

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    お次はラディッシュの収穫
    大きいのはどれかな?

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    とれたてをパクリ!
    おいしい!でもちょっと辛い?

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    お待ちかねのネイチャーゲーム
    教えてくださるのは自然を楽しむ達人
    數井美智子さん

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    「一番スベスベした葉っぱを探して」
    「一番おいしそうな葉っぱを探して」
    思いがけない指令にワクワク!

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    みんなの「一番」を並べてみよう
    どうしてこれを選んだのかな?

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    虫めがねで見てみよう
    「葉っぱのはしっこがメロンみたい」
    思いがけない発見がいっぱい

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    葉っぱや木の枝で私だけのお庭づくり
    「バースデーケーキをつくろう」
    「ハンモックでお昼寝したいなあ」

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    こだわりのお庭ができました
    どのお庭も遊びに行きたい

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    今日の思い出に「落葉の窓」づくり
    葉っぱの形に切り抜いたカードに
    お気に入りの葉っぱを貼りつけます

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    光にかざすとキラキラ宝石みたい
    素敵なおみやげができました

  • 森まなび塾。 「吉野で森林ボランティア・森林セラピー体験・蔵王堂 朝の勤行も」

    イー・ビーイングでは、「森まなび塾」を実施しています。

    9月19日(土)・20日(日)、吉野山にて「吉野で森林ボランティア・森林セラピー体験・蔵王堂 朝の勤行も」を実施しました。

    当日の様子をご覧ください!

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    吉野神宮駅に集合し太鼓判花夢花夢へ
    今回もたくさんの方にご参加いただきました

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    まずは坂本氏による森のめぐみセミナー
    森を手入れすることの大切さを教わります

     

    写真…

  • 土壌汚染紛争のいま~最新状況と予防法務

    2014年10月24日 Land-Ecoセミナー

    「土壌汚染紛争の予防と第三者評価の活用」

    牛島総合法律事務所 弁護士 井上 治

     ただいまご紹介いただきました、牛島総合法律事務所の井上でございます。本日は、ご多用中お越しいただきまして、誠にありがとうございます。これから75分間「土壌汚染紛争のいま~最新状況と予防法務」と題してお話しさせていただきます。
    本来であればここで自己紹介をするのですが、今日は土壌汚染紛争が日本のマーケットにおいてどのような状況にあるのか、また法的な状況はどうなっているのかという話の中で、それに私自身がどう関わってきたかを関連付けてお話ししたいと思います。
    私は土壌汚染に関する案件を数多く担当させていただいております。弁護士という立場上、守秘義務がございますので、ご紹介できる範囲は限られるのです が、裁判になっている案件の場合は公開されている情報も多くございますので、具体的な案件の内容も公にできる範囲でご紹介したいと思います。
    今日お話ししたいことは、大きく分けて3つです。メインは「1.土壌汚染・地中障害物取引紛争の最新状況」と「2.典型的に問題となる土壌汚染・地中障 害物等」です。「3.紛争における具体的問題点と予防のポイント」については、1、2で述べた問題意識を法的に位置づけるとどうなるかを解説している部分 ですので、1と2に重点を置いてご説明したいと思います。なお、本講演における意見は弊職の個人的見解でありまして、弊職の所属する事務所の見解と必ずし も一致するものではございません。 

    ■土壌汚染・地中障害物取引紛争の最新状況

    「土壌汚染・地中障害物取引紛争の最新状況」として、5点お話しします。
    まずは「(1)紛争の多発化」です。土壌汚染と、コンクリートガラや油などの地中障害物は、一体となって出てくることが多いです。地中障害物の問題は比較的昔からあるのですが、土壌汚染については最近10年ほどで増えてきています。
    次に「(2)賠償額の高額化」です。最近、賠償額が高くなる案件も増えてきています。
    次に「(3)問題となる法的争点等の多様化」、「(4)技術的事項の専門性・複雑化」です。土壌汚染・地中障害物は技術的な要素を含む問題ですので、法的争点としても難しいですし、技術的な事項についての専門的な知見が必要になってきます。
    最後に「(5)予防法務の重要性の増加」です。ある程度の規模の取引で、土壌汚染や地中障害物が問題になると、費用が高額化しやすいです。調査にもそれなりの費用がかかりますし、対策をとると相当高額になり、紛争化しやすい傾向があります。
    本日はこれらについて、ひとつひとつ具体的にご紹介したいと思います。

    (1)紛争の多発化

    この表は、最近、土壌汚染紛争がどのように増えてきているかを整理したものです。この数字は、牛島総合法律事務所で判例のデータベース、判例集、新聞や 雑誌の記事などから土壌汚染・地中障害物に関する紛争案件を集めてデータベース化しており、そこから抽出したものです。
    ご覧のとおり、平成15年までは1桁ですが、平成16年~20年で急増し、平成21年~25年も約48件と増えているのが分かります。土壌汚染対策法の 施行が平成15年2月15日ですから、平成15年以降増えているのは、土壌汚染対策法の施行とほぼ同時期の現象です。
    土壌汚染関連では、他にも平成12年1月に施行されたダイオキシン類対策特別措置法がありますが、こちらは特に影響はありません。ではダイオキシンが重 要ではないかというと、そうではなく、汚染物質の中でも危険度が高いですし、調査・対策の費用が非常に高額です。ただし、紛争との関係では土壌汚染対策法 の方が影響は大きかったということです。
    では、土壌汚染対策法が施行されて、法の適用になる案件が増えたのかというと、必ずしもそんなこともありません。皆さんが関わるようなビジネス上の取引 の場面で、土壌汚染対策法が直接適用になる場合はそれほど多くはなく、むしろ自主調査をして汚染物質が存在するという案件の方が多いのではないかと思いま す。
    それでは、なぜ土壌汚染対策法と連動しているように見えるのかというと、この時期を境に土壌汚染に対する社会的認知度が格段に上がったというのが、端的 な理由ではないかと思います。私の経験でも、土壌汚染対策法施行以前は、土壌汚染についてあまり気にしていなかったのが実態でした。土壌汚染対策法の施行 を境に、土壌汚染がビジネス取引上のリスクとして具体的に認識されたので、それ以降は土壌汚染リスクを無視して取引することができなくなりました。
    また、平成22年4月に土壌汚染対策法が大きく改正されました。例えば自然由来の汚染は、これまではあっても良かったのですが、改正によって対策が必要 となりました。日本では自然由来の汚染は非常にいろいろなところで発見されるので、実務的には大きな影響があると思います。また調査のコンセプトも、従前 に比べると相当精緻化されています。このように、土壌汚染に対する一般的な認識が高まったことが、紛争の多発化の大きな理由かと思います。
    私が土壌汚染の案件に関わり始めたのは、平成12年頃、ダイオキシン類対策特別措置法が施行された頃です。ヨーロッパの会社の代理で、日本で不動産を買 うお手伝いをした時に、本国からデュー・デリジェンスのリストが来て、土壌汚染リスクについて調べよと書いてあったのです。そこで売主さんに尋ねると、当 時はまだあまり土壌汚染に対するリスクの認識がなくて、「お前は何を言っているんだ、そんなことは日本ではしない。」、「なんて非常識なことを言う奴 だ。」などと言われました。ところが土壌汚染対策法の施行を境に、土壌汚染リスクを調べるのが常識になりました。あまりにも劇的に違うので、私自身も非常 に実感があります。
    もちろん私は土壌汚染だけを担当しているわけではなく、不動産取引全般に関わっています。典型的な例として言えば、外資のお客さんのお手伝いをして、日 本で不動産を買って開発したり、取引先との契約を取りまとめたりしています。その中で、土壌汚染が私の業務の上で相当大きな割合を占めるようになったの は、それが紛争化しやすく、紛争になった場合の負担額が大きいからです。それらの対応をするうちに、そのような案件が集まって、専門性が上がっていったと いう経緯があり、これまで相当数の土壌汚染案件を担当させていただいています。

    (2)賠償額の高額化

    紛争の数が増えただけではなく、賠償額が高いものも出てきています。数億円を超えるものも多くありますし、中には数十億となる事例もあります。
    高額賠償・和解が認められた事例を一覧表にまとめました。一覧表の中の東京都板橋区の事案(A社の事案)と仙台市青葉区の事案(B社の事案)は、私が担 当して、土壌第三者評価委員会の意見書をいただいた案件です。また東京都葛飾区の事案、東京都の他区の事案も私が担当した事案です。それ以外は他の者が担 当した事案ですが、東京都江東区の事案は、築地市場の移転の関連です。大阪市淀川区の事案は、私の担当した案件ではありませんが、X社とY社の案件です。 岡山県岡山市の事案はZ団地の案件です。
    ここでまず見ていただきたいのは、賠償や和解の金額です。A社の事案は判決認容額が約7,000万円ですが、これは土壌汚染案件としては比較的少額で す。平成20年に判決が出たのですが、平成17年頃から裁判をしており、判決が出るまでに3年ほどかかっています。平成17年といえば、土壌汚染対策法が 施行されてまだ2年なので、土壌汚染リスクに対する認識が高まり始めた頃で、土壌汚染案件の中では初期の案件です。東京都の事案は、約50億円と書いてあ りますが、これは請求額です。和解が成立しているのですが、守秘義務の関係で和解額は公開できません。ただ、相当額の損害賠償を私どもの依頼者が受領して います。
    このように額が大きくなってきているのですが、だからといって、最近になって土壌汚染がひどくなってお金がかかるようになったわけではありません。社会 的認知度が高まったので土壌汚染が紛争化しやすくなり、案件が増えた結果、額が大きいものも増えたということだと思います。

    A社の事案とB社の事案については、イー・ビーイングの土壌第三者評価委員会様から意見書をいただいた案件ですので、概要をご紹介いたします。
    A社は不動産デベロッパーで、東京都近郊でマンションや戸建て住宅等を相当数、開発され販売されていました。
    この事案は、A社が東京都板橋区にある3,200㎡ほどの工場跡地を購入された際の事案です。東京都の場合は3,000㎡を超えると、「都民の健康と安 全を確保する環境に関する条例」によって、土地の改変時に調査が求められます。そこで売主さんが調査をしたところ、砒素・鉛等の汚染があったので、対策を とられました。その結果は板橋区に届け出て、届出印もきちんと押されていました。A社はそれを見て、大丈夫だと思って買われました。ところが、その後にご 自分で調査されたところ、環境基準値をはるかに超える砒素が出てきたので、売主さんを訴えました。
    難しかったのは、契約には「土壌汚染については責任を負いません」と書いてあったことです。具体的には、土壌汚染があった場合は引き渡しから6か月以内 に請求すること、なおかつ、要するに損害の1/3だけ支払うということが書いてありました。ところが相談に来られた時点で1年くらい経っていたので、契約 によれば請求できません。
    そこで売主さんの調査報告書や対策報告書、板橋区に提出された各種書類をいただき、精査しました。すると、汚染を取り漏らしているのではないか、あるい は、誤った調査・対策方法をとったのではないかと思われる節がありました。そのような状況だったので、契約の効力が争えるかもしれないということで、裁判 に至りました。
    結果的には、和解できました。一覧表に約7,000万円と書いてありますが、これは地裁判決の金額です。高裁では地裁よりも良い条件で和解できているのですが、そちらの内容は守秘義務の関係で申し上げられません。
    裁判所の判断は、「瑕疵担保の特約は有効だけれども、売主さんは土地をきれいにして売る義務があり、その義務に違反したので、損害賠償を認めます。ただ し契約に1/3と書いてあるので、その範囲でだけ認めます」というものでした。あくまで想像ですが、契約上には売主さんは責任を負わないと書いてあるの で、その契約を尊重しなければならない。ところが土壌汚染対策の手法があまりにずさんなので、買主さんを救済しないのは事案解決としてのバランスを失す る。ただし、もともと買主さんも2/3はリスクを呑んだはずなので、そこまで認めるのはやり過ぎだろう、という判断をしたのではないでしょうか。
    この判断には法律について特に専門的な知見がなくても、売主さんの立場になって考えてみると疑問が生じるのではないでしょうか。売主さんは、汚染があっ ても責任を負わずに済むように、契約で責任の範囲を限定したわけです。ところが、きれいになっていないから責任を負いなさいと言われてしまったのでは、汚 染があったら契約で責任を限定したはずなのにもかかわらずお金を払わないといけないことになります。
    私は土壌汚染関連の事案を多数担当させていただいていますが、この案件は最近の土壌汚染案件に特徴的な案件だと思います。つまり、ある程度調査も対策も されているのに、後になって汚染が出てくるというケースです。ところが、調査会社や対策会社がずさんだったからそのようなことが起こったかというと、必ず しもそうとは限りません。調査や対策をしたらもう汚染は残っていないということはなく、全面的に土壌を入れ替えない限り、何らかの形でリスクが存続しう る。また、契約書に書いておけば万全というわけでもない。
    ですから、紛争を予防するためのポイントは3つあります。事前の調査はちゃんとしましょう、契約書はきちんと書きましょう、もうひとつ、契約書がきちん と効力を維持できるように取引をきちんとしましょう、ということです。今日私が申しあげたいことは、この3点に集約できます。

    B社もマンション開発をされていて、仙台でスタートし関東まで進出された会社です。
    私が担当したのは仙台の1,200㎡ほどの物件です。B社さんが土地を買われて、開発しようとされたのですが、油汚染が出てきました。油の量は非常に多 かったんですが、土壌汚染対策法の特定有害物質はあまり出ませんでした。油汚染の案件ではベンゼンや鉛がよく出てきますが、この土地ではごく限られていま した。
    その土地では重油タンクが地下に埋まっていて、開発の過程でタンクを一度地上に掘り出して、もう一度埋め戻していました。その重油タンクから油が漏れ、 なおかつ地下水位が高い場所だったので、土地全体に広がったと考えられました。ただし、重油タンクの容量よりも、土地にある油の量が多い様子もあったの で、違う原因もあったのかもしれません。
    油汚染で難しいのは、土壌汚染対策法には基準値がありますが、油汚染にはそのような数値基準がないということです。そうすると、それが法的な瑕疵なのか どうかが分からない、あるいは確定しにくいんです。買主さんが瑕疵があるからお金を払ってくださいと言っても、売主さんはそれは瑕疵ではないと言ってお金 を払ってくれない。それで裁判になりました。
    技術的な意味での最大の争点は、油はどれだけあると瑕疵になるのかということでした。そこで土壌第三者評価委員会様の意見書をいただきました。最終的には瑕疵だと認めていただき、約3億円の請求を認めていただきました。

    東京都葛飾区の案件は、C社とD社の案件です。これはD社のプレスリリースに出ていますし、基本的な事実関係は裁判情報として公開されています。
    C社がD社から不動産を買い、石炭ガラと油が見つかりました。土壌汚染はそれほどありませんでした。D社の主張は、要するに「石炭ガラは毒性もないし、 建物を建てる時にも邪魔にならないので、あっても困らない。かえって水はけがよくなるので、瑕疵ではない。油は基準値がないし、工場跡地なので多少の油が あるのは当たり前で、瑕疵ではない」というものでした。そこでC社がD社を訴えたという案件です。
    地中障害物で、大きなコンクリートガラがあって家が建てられないなどの場合は、瑕疵として分かりやすいです。ところが、きちんと家が建つ場合に、石炭ガ ラが瑕疵だと立証するのは簡単ではありません。ではなぜ瑕疵だと言えたのかというと、処分費用が通常の処分費用よりも高いということが主張の核心でした。 これは民事裁判所にとってはかなりお新しい発想だったと思います。専門家の意見をいただいたわけではありませんでしたが、法的に説得的な議論を組み立てる のは苦労しました。裁判所に納得していただくためにいろいろと工夫しました。
    請求は60億円で、その後80億円に拡張し、最終的には20億円の和解で終わっています。減ったと思われるかもしれませんが、20億円は和解交渉の中で C社側が提示した金額とほぼ一致しており勝訴と言えると思います。経験的に、土壌汚染の裁判で請求額がそのまま認定されるのは難しく、1/3程度になる案 件はままみられます。

    (3)問題となる法的争点等の多様化

    土壌汚染・地中障害物紛争の争点は、広範かつ多様化しています。
    典型的に問題となる土壌汚染・地中障害物等は、土壌汚染対策法の特定有害物質や、ダイオキシン類対策特別措置法のダイオキシン類、あるいは油、産業廃棄 物などがあります。最近では液状化も問題となっており、三井不動産の浦安の液状化裁判が有名です。それぞれの物質について、取引の中でトラブルになりやす いポイントや特徴があります。後ほどご説明する「2.典型的に問題となる土壌汚染・地中障害物等」では、このような物質がある時にはこのようなことに注意 した方が良いということを具体的にご説明します。また「3.紛争における具体的問題点と予防のポイント」では、そのような問題意識の中で、あらかじめどの ようなことをしておくと紛争が予防できるのかをご説明します。
    このように、最新の裁判実務や技術的・専門的知見に基づいて、どんな点で揉めるのか、どう対応すべきか、具体的な争点を把握する必要性が高まっています。

    (4)技術的事項の専門性・複雑化

    先ほどご紹介したA社の事案のように、最近は調査・対策を実施しているのに汚染が発見されるケースが多いです。A社の事案の場合は調査・対策自体が相当 ずさんでしたから、裁判所の認定も実質的には売主の重過失を認定していると思います。ただしその他の案件を見ると、それぞれの調査会社さんや対策会社さん はそれなりに社会的に信用度のある会社で、調査・対策自体がそんなにおかしくないケースが多いんです。
    それではなぜ調査・対策したのに汚染が出てくるかというと、土壌調査がサンプリングでの調査であるということが原因だと考えられます。簡単に言うと、土 壌汚染対策法では、土地を10mメッシュで区切り、その中央で試料を取って調べます。それで汚染が出てきたら、その10mメッシュは汚染あり、出てこなけ れば汚染なしとなります。ところが100㎡に対し、ボーリングコアは直径10cm足らずです。調査の結果に関わらず、汚染はあるかもしれないし、ないかも しれないというのが正直なところです。
    それでは土壌汚染対策法の調査方法が合理的でないかと言えば、もちろんそんなことはありません。汚染に連続性があるなら、出たところと出ていないところの境目に境界がある。だから点の調査で良いのです。
    ところが紛争になるケースでは、土壌が攪乱していることが多いです。最初は汚染が連続していたかもしれませんが、その後に建て増しをしたり、掘った土壌 を別の場所へ移動したりしているうちに、土壌が攪乱して、汚染がまだら模様になります。そうすると、見つけられない汚染が出てきてしまいます。もちろん土 壌汚染対策法もこのような土地の改変は想定していますから、地歴を調べて、土壌が動いているならそれに従って調査するようにとか、盛土をされたら地表を調 べても意味がないので、もとの地盤面から調査するようにと書いてあります。ですが、法律や土壌汚染分野にあまりなじみのない方は、法律に従った調査・対策 方法を取っていれば、本当にクリーンだと信じる、あるいは信じたことにするという態度があります。
    土壌汚染対策法に合理性がないと言っているわけではないんです。例えばもっと細かく、1mメッシュで調査すればもっと精緻になると思いますが、そんなこ とをしたらコスト的に合いません。もちろん全面的にきれいな土壌に入れ換えれば、クリーンだと言える可能性が高いですが、やはりコストがかかります。だか ら構造的に、100%安全にするのはものすごく難しいんです。これが実務的なせめぎ合いというか、どこで折り合いをつけるのかということだと思います。
    教科書的な土壌汚染対策法の知識をもっていることはもちろん、実態はどのように動いていて、本当のリスクがどこにあるか分かっているかが問われています。逆に言うと、それをちゃんと分かっておかないと、リスクを理解した取引になりません。

    調査・対策に関する技術的事項は極めて専門的・複雑です。
    先ほど油汚染の案件をご紹介しましたが、裁判所に油がなぜ瑕疵なのかを理解していただいたり、汚染がまだらになっている場合にどこまで対策範囲とすべき かを理解していただくのは、簡単ではありません。汚染の場所を確定するために細かく調査をするよりは、全部汚染されているとみなして対策した方が早いです し、コストもかかりません。ですが売主さんは、汚染が出なかったところは対策する義務はないと言いますよね。
    裁判官の方に、技術的なことについて理解していただくには、一般的にすごく工夫を要します。よほど核心を分かりやすく説明しないと十分に理解していただ けません。さらに表面的な理解ではなく、私たちの言っていることが正しいと本当に腑に落ちていただける内容にならないと、勝訴には結びつきません。そのよ うなレベルで技術的・専門的事項を理解してもらうにはどうしたら良いかというのが、実務的なポイントです。

    実務上問題となりうる技術的・専門的事項の例をいくつか挙げています。
    まず、有害物質によって特性が違います。土壌中での移動のしやすさで言えば、ダイオキシンはあまり移動しませんが、油はよく移動します。地下水があるとさらに移動して、隣地まで汚してしまいます。水への溶けやすさも物質によって違います。
    汚染原因・汚染経路も難しい問題です。ひとつの会社さんが使い続けている土地は分かりやすいのですが、転々譲渡されていると、いつ誰が汚したのか特定し 証明するのは至難の業です。裁判所が法的責任を認めるためには、ある程度の固い証拠が必要なので、内部告発文書が残っているなどの特別な事情でもあればと もかく、簡単には立証できません。また物質によっては、人為汚染か自然由来かも判断が難しいです。
    対策基準の設定については、油が典型例です。数値基準がなく、環境省のガイドラインの判断基準は油臭や油膜です。油臭や油膜が酷かったら瑕疵であるとされていますが、「酷い」というのはあいまいな基準です。
    汚染状況、汚染範囲の確定というのは、例えばまだらに汚染されている場合に、どこまで対策すれば良いかということです。
    浄化工法の妥当性は、さきほどご紹介したA社の案件でも問題になりました。土壌汚染対策には掘削除去、覆土、封じ込め、浄化など様々な方法があり、特に 浄化には注意が必要です。土壌を掘り出して浄化する方法もあれば、土壌を掘り出さない原位置浄化もあり、A社の案件では原位置浄化を使いました。ウォー タージェットと言って、土壌を高圧の水で洗う非常に革新的な工法で、コストが1/2~1/3になるということでしたが、うまく浄化できていなかったようで す。確かに海外ではウォータージェットのような原位置土壌洗浄の手法が利用されているようですが、例えば砂漠が均一に汚れていて、汚染の濃度を下げるのが 目的で、完全浄化を目指さないような場合に有効だと考えられているようです。しかしA社の案件はそうではないですし、汚染物質も重金属、土壌もシルトだっ たため、そもそもウォータージェットが適用できるのか疑問な案件でした。また、特に原位置浄化の場合には、完全にきれいになったことの証明が難しいです。
    覆土や封じ込めは、自己使用地では増えていると思いますが、取引の対象となる土地、あるいは転々譲渡が予定されている土地の場合には、汚染を残したまま 売却するのは一般的に今でも難しいと思います。そうすると掘削除去という選択になりますが、環境省はできる限り掘削除去をするなというご方針ですし、売主 さんは覆土で十分だと仰ったりするので、難しい問題です。

    このような技術的・専門的事項を裁判において取り扱う場合は、3つの方法があります。
    1つ目の裁判所による鑑定は、実務的に使われるケースは非常に限られます。
    ほとんどが2つ目の当事者による私的鑑定・鑑定意見書の提出です。例えば、土壌汚染案件のご相談を受けて、これから紛争になるというときに最初にするこ とは、専門家を捕まえることです。土壌汚染の専門家は、日本にそうたくさんいるわけではありません。また、一方の味方をすると相手方を敵に回すという構造 があるので、専門家の方は躊躇して、そう簡単には意見書を書いてくれません。専門家の取り合いになってしまいますから、早い段階で捕まえておくのが実務的 には重要なポイントです。専門家とは、イー・ビーイングさんの土壌第三者評価委員会のような専門機関や、大学教授などです。
    3つ目の専門委員というのは、専門的に見識のある方が裁判所によって選ばれて、裁判官の手伝いをするという仕組みで、相当数の利用があります。制度上は 専門委員の意見は参考であり、判断の基礎とはしないとされていますが、実務的には専門委員をどう説得するかも非常に重要な問題となります。

    (5)予防法務の重要性の増加

    このように、紛争になりうる具体的な法的問題点は多様であり、技術的事項は専門的・複雑化しています。紛争を予防するためには、最新の裁判実務や技術 的・専門的知見に基づいて、具体的な問題点を把握する必要があります。注意すべき点を(a)~(e)の5点挙げています。
    まず(a)具体的な取引時の契約書、関連資料のチェックです。契約書については、売主側と買主側で守りたいポイントが違います。売主であれば、できるだ け後で責任を負いたくないので、責任限定条項を入れたいとなるでしょう。責任限定条項を入れること自体は民法で認められていますが、契約書の効力が裁判所 に思ったとおりに認められるかはまた別の問題です。A社例えば、裁判所が売主の故意・重過失を認定すれば、契約書の効力は限定されることになります。です から契約書に書かれた内容が法的にも認められるようにするには、契約以外の事実関係も整理しておかないといけません。
    これは関連資料のチェックや、(e)契約担当者・営業担当者に対する指導・教育の徹底にも関わってきます。民法では、何かを買うときには買主がおかしい ところがないか注意するのが大原則ですが、実務的には売主も注意しなければなりません。例えばその土地で過去、土壌汚染に関する事故で重大な被害が出たと いう事実があり、それを買主に告げないまま売ってしまって、後で買主が発見した場合、重大なリスクがあるのになぜ売主が言わなかったのか、必ず問題になり ます。ですから、あらかじめ重大なリスクがなかったかしっかり確認して、買主側に何らかの形で伝えておかないといけません。
    その時に、こんなに重大ですと言ったら減額されてしまうでしょうから、合理的に許される範囲で、どのように伝えるかは実務的な問題です。このような場面 で、どのようなコミュニケーションをしなければならないのか、問題意識があるのとないのとでは大きな違いです。裁判所は、メールや議事録、書類などを全て チェックします。例えば買主が送ったメールに、「土壌汚染リスクは絶対に負えないから売主の方で何とかしてほしい、その分売買代金は少し割増している」な どと書いてあると、土壌汚染リスクは売主側が負担したと認定する根拠になりうることになります。手書きのメモでもよく、場合によってはその方が信用力もあ ります。取引の際は土壌汚染以外にもいろいろな事を気にしなければならないですし、根掘り葉掘り聞いていたら取引がつぶれてしまうので難しいという場合も あるかと思いますが、その中でどこまで法的なリスクをミニマムにするか、戦略的な発想が必要になります。
    次に(b)標準契約書のチェック・改訂です。同種の取引を何度もされる場合には標準契約書を作成されていると思いますが、これも最新の判例状況をふまえ て適宜改訂した方が良いです。例えば契約書によく書いてある内容として、瑕疵担保責任制限条項があります。瑕疵があっても責任を負いませんという内容で す。ところが請求権が認められる法的根拠としては、主に債務不履行、瑕疵担保、不法行為の3つがあり、それぞれが独立の法的主張になります。日本法のもと では、事案によっては瑕疵担保責任だけ制限しても、債務不履行と不法行為によって責任を認められる可能性がありますが、契約書上は瑕疵担保責任のことしか 書かれていないケースが多いです。
    (c)デュー・デリジェンスの実施は、(a)とほぼ同じ内容です。買主が行うのは当たり前ですが、売主にとっても重要です。
    (d)セカンド・オピニオンの取得は、専門家や弁護士などの第三者から、あらかじめ意見を貰っておくことです。先ほど裁判での鑑定の話をしましたが、こ こで言うのは取引の段階での話です。例えば弁護士に、この取引においてどんな点が問題か、こういう売買条件でいいのかなどを、紛争になる前の、取引前とか 交渉中の段階で話を聞きます。私自身も最近はこのようなご相談を受けるケースが多いです。早い段階でアドバイスを求められた方がコスト的にもはるかに低い ですから、セカンド・オピニオンの取得はぜひ積極的に考えていただきたいです。浦安の液状化訴訟の第一審判決では、売主の三井不動産が勝訴していますが、 過失がないことの根拠の一つが、売る際に専門家の意見を聞いていたことでした。訴訟になった後に困るのではなく、あらかじめしかるべき人に、例えば土壌汚 染なら土壌汚染の専門家、あるいは弁護士に意見を聞いておくと、後でリスクが顕在化しても、きちんと対応していたという証拠になります。

    レジュメのこの後の部分は、今までお話ししたことをより具体的に整理したものです。「2.典型的に問題となる土壌汚染・地中障害物等」では、物質ごとに 問題になる点を具体的に挙げています。ほとんどの内容はすでにお話ししましたので、かいつまんでご紹介します。
    特定有害物質については、土壌が攪乱されて基準値超とそれ以下の部分が混在している場合に、どう対策範囲を設定するかが非常に難しい問題です。これには 判例などで定説がまだないので、これから予防するなら、そのようなことがあり得るという前提で契約をすることになります。
    ダイオキシン類は、非常に毒性が高いです。所沢のダイオキシン事件では、野菜からダイオキシン類が検出されたと報道されましたが、実際には野菜ではなく お茶だったそうです。その報道によって野菜の販売業者の方が非常に被害を受けたので、裁判になって最高裁までいきました。その判決内容を見ると、ダイオキ シンは青酸カリより100倍危ないとか、サリンより危ないとか、とにかくものすごく毒性が高いと書いてあります。もっとも、実際に土壌などに含まれるのは 特定有害物質などの例に比べて非常に低濃度であることが多いため、単純に比較はできませんが。またダイオキシン“類”というように、異性体・同族体がたく さんあるうえに、それぞれ毒性が違うので、全部換算して毒性の量を計るため、調べるにはすごくお金がかかります。対策費用も基準値の3倍を超えると非常に 高額化します。ですからダイオキシン類はかなり深刻な問題ですが、伝統的な契約書だと、特定有害物質についてまでは書いてあっても、ダイオキシンについて は書いていない場合も見受けられます。
    また、セイコーエプソンさんの事案では、汚染がまだらでも一団として汚染されている場合は全体として瑕疵であると認定しています。土壌が攪乱している場 合には、土壌の入れ換えの経緯などがあれば、基準値超か否かだけではなく、違う切り口で土壌汚染対策範囲を決めるということです。
    油類はこれまでにお話しした通り、基準値がないので対応に困ります。
    「3.紛争における具体的問題点と予防のポイント」では、これらの実務的な問題が法的にはどう位置づけられるかを整理したものです。詳細はレジュメを読んでいただければと思います。
    時間になりましたので、これで本日の講演を終わります。ご清聴ありがとうございました。

  • 植物工場野菜の第三者評価

    2012年 エネルギー・資源学会誌

    1.社会知として「信頼」を高める第三者評価委員会(TPAC)について

    現代において科学技術は,専門性を深めるとともに細分化し,一方で商品 (情報・サービス・管理システムを含む、以下商品と略す)は,多分野の知識・技術・知見の綜合化により成立している.
    こうした商品の群の中に置かれた消費者は,選択の手がかりとして,それら商品を客観的に評価してくれる社会的縁(よすが)を求めている.
    それには,各分野の知見を集め商品を綜合的に評価する専門家集団の編成が求められ,透明性・公平性・独立性をもって商品を360°の視野から評価する 「生産物及び生産システム第三者評価委員会」(以下TPAC-PPS)が誕生したのである.この評価結果を社会知として世に問い,社会の共有財産に創りあ げるものである.
    第三者評価委員会(TPAC)の適格性や運営の適切性については,2005年中央青山サステナビリティ認証機構(当時)による審査を受け,透明性・公平 性・独立性の三原則をもって運営する第三者評価機構として認定を受けている.また組織内のチェック体制として,評議会を設けTPACの運営の客観性を担保 している.評議会は,大学関係者の郡嶌孝氏(同志社大学経済学部教授),公認会計士の重森節夫氏,司法界から弁護士山田浩介氏など,十分な態勢を用意して いる.こうした客観的な枠組み(50数本にもなる文書・規定類を作成・運用)を厳格に守ることにより,このTPACは,社会的な信頼・信用を得るものと確 信している.

    report2_1図1 TPAC評価三原則と評価分野

     TPAC-PPSでは,商品を環境,安全・安心,ユニバーサル性,社会性という4分野において評価し,分散認知されていることを綜合知として評価する.

    report2_2図2 TPACシステム体系

     本稿で紹介するTPAC-PPS植物工場生産物及び生産システム(以下,植物工場野菜の第三者評価)は,生産物の安全・安心に重点を置いている.また観 点を変えると,身体障害者や高齢者も生産や運営が行えるユニバーサル性や,LEDの省エネや水の高生産性など環境側面にポイントをあてる評価もできる.
    私たちが今生きている「自由な時代」こそ,綜合知における第三者認証により商品の新しい価値・用途・機能などを評価し,潜在的な市場を顕在化し拡大することが,事業者・消費者・社会にとって有益であると考えるものである.

    2.なぜ人工光型植物工場なのか

    なぜ植物工場野菜の評価・認証に力を注いでいるのかについて,少し説明を加えたい.

    1. 人工光型植物工場は,外界の光と熱を遮断する天井・壁等で構成され,施設は病害虫を防ぐ二重扉やエアシャワーにより守られてい る.栽培装置,環境制御機器などノウハウの詰まったシステム技術であり,播種育苗室,栽培室,作業室,倉庫,管理室など必要な環境制御が用意されて,作業 の省力化や清潔な栽培環境を実現している.
      この人工光型植物工場は,日本の得意技であり,日産1万株以上の工場は世界にない.つまり量産化技術は日本がトップなのである.(同じようでも、太陽光利用の植物工場は,オランダに一歩も二歩も先んじられている.)
    2. 露地栽培では,基本的にポリフェノール,リコピン等々の表示取得は困難であるが,人工光型植物工場ならメリット表示が 可能なのである.環境が整備されているうえに,植物の必要とする養液の活用システムなど生産物の再現性が高いからである.アイスプラントなど個別要素技術 は,世界的にも自慢できるものである.
    3. 地球温暖化の影響かどうか分からないが,日本をはじめ世界中で異常気象が頻繁に起こっている.こうした自然条件に左右されない植物工場野菜は,安定的周年生産が可能である.
    4. 一方で,いろいろな食品が工場で作られているが,野菜については工場野菜の受けが悪く,「本当に大丈夫なの?」との危惧の声も多く需要に弱いものがある.

    こうした数々のメリットをもちながら,4の意見のように植物工場野菜はまだマイナーな存在である.そこで私たちは,植物工場野菜の持つ安全・安心と機能 性をしっかり評価し,その生産物が世に受け入れられるようにすることが,日本の植物工場の技術競争力を高めることになるし,植物工場生産者にとって必要な ことであると考える.
    消費者にとっては,安全を数値で示され機能性評価もされた野菜には安心感を持ち,購買意欲も高めることになる.
    また植物工場野菜は,今後も起こるに違いない異常気象に対する保険機能を持つものでもある.

    3.TPAC-PPSマネジメントシステム図

    下記に掲げるTPAC-PPS規格要求関連図は,経営者の責任,食品安全チームリーダーの役割とTPAC事務局の役割,そして安全・安心情報の社会的に開示する枠組みをTPAC-PPS委員会が定めたものである.
    これはISO90001規格(一部)のマネジメントシステムと,HACCPと食品衛生の一般原則を取り入れて組み立てたものであるが,本稿では紹介に止める.

    report2_3図3 TPAC-PPSマネジメントシステム図

     

    4.植物工場野菜の第三者評価の枠組み

    植物工場野菜の第三者評価では,3つの評価項目を設けている.

    1. 生産物(野菜)と養液について安全・安心評価
    2. 生産物(野菜)についてのメリット評価
    3. 生産システム(工場)の再現性

    である.
    これらの評価は,斯界の権威の方々の知見を評価委員会で討議し,基本的に全会一致で結論を出す.

    4.1 安全・安心評価(生産物と養液)

    安全・安心評価では,第一に生産物が身体に害のない安全なもので,安心して食べられるかどうかを評価する.一般生菌,大腸菌群などについて,検査機関の検査結果をもとに,評価員が綜合的知見により評価・認証する.
    また,養液については生菌数などに加えて硝酸イオン,重金属や農薬,場合によっては放射性物質についての検査結果をもとに評価・認証する.
    養液は肥料成分と濃度(EC),pH,水量,流速,溶存酸素などをコントロールし,生育や栄養価の管理を行っている.光や温度,水流とともに,大きな役割を果す養液の安全性評価は大変重要である.

    4.2 メリット評価(生産物)

    生産物のメリット評価では,もう一歩踏み込み,おいしさや栄養豊富で身体に良いなど,野菜の付加価値となる機能性や栄養面でのメリットについて評価を行 う.糖度やビタミンA・B・C,抗酸化力,ミネラル,硝酸イオンなどについての検査結果をもとに,実際にどれだけのメリットを備えているかを評価・認証す る.成分の安定を保証できない露地物には表示できないもので,植物工場野菜の持つ優位性の一つである.

    4.3 再現性審査(生産システム)

    生産物の評価だけでなく,その工場(生産システム)が安全・安心でメリットを備えた生産物をいつでも同じ品質で生産できるか(再現性)についても評価す る.再現性審査として評価委員会が特定したTPAC-PPS審査がある.この審査では,再現性システム文書として,工場運営マニュアル等一式を提出しても らった上で事務局(委員)が工場に出向き,再現性を実査する.(TPAC-PPS審査とは,ISO22000:食品安全マネジメントシステムを参考に TPAC委員会が作った規格をいう.)

    4.4 認証レベル

    認証レベルゴールド,シルバー,ブロンズの3つのレベルが設定されている.
    ゴールド認証は,TPAC-PPS審査により,いつでも同じ安全・安心野菜を生産できることを認証する.工場実査では,提出されたマニュアル等の内容が確実に周知徹底・運用されているというパフォーマンスを確認する.
    シルバー認証は,再現性実査により,いつでも同じ安全・安心野菜を生産できる仕組みを認証する.
    ブロンズ認証は,生産物と養液の安全・安心を認証する.

    表1 評価項目と認証レベル

    生産物(野菜)と養液 生産システム(工場)
    安全・安心評価 メリット評価 再現性審査 TPAC-PPS審査
    ゴールド
    シルバー
    ブロンズ

    評価委員会では、これらの認証を行い,その証明としてTPACの認証書を発行する.
    ゴールド認証を受けた野菜は,TPACマークを商品毎に添付することができる.TPACマークは安全・安心が保証された,付加価値の高い野菜のマークと して,消費者に他の商品との差別化を一目で伝えることができるものである.またTPACマークにつけられたQRコードから,TPACマークの認定の基準を クリアしたことや,その野菜のメリット・評価内容などの情報が得られる.TPAC専用HPより,認証企業の確認や責任者の声など,深い情報を広く閲覧でき るようになっている.(追記)現在3社の審査に入っているが,それらが完了次第のアップとなる.

    report2_4図4 認証書例

     

    5.検査項目

    安全・安心評価,メリット評価の検査項目は,野菜の種類によって異なるが,葉野菜・レタス等の場合は以下の通りである.

    表2 葉野菜・レタス等の検査項目(例)

    表2 葉野菜・レタス等の検査項目(例)

    生産物 養液
    必須 推奨 選択 必須 推奨 選択
    安全

    安心
    評価
    (A) 一般生菌
    大腸菌群
    腸管出血性大腸菌(O157)
    サルモネラ
    ノロウィルス
    黄色ブドウ球菌
    腸炎ビブリオ
    赤痢菌
    硝酸イオンセット
    (B) 有害重金属(5種)
    ヒ素,カドミウム,鉛,クロム,水銀
    農薬検査
    (250種一斉分析)
    放射性物質
    (ゲルマニウム法)
    メリット評価 糖類セット レフブリックス
    HCLCセット
    ビタミンA カロテンα
    カロテンβ
    ビタミンB B1 チアミン
    B2 リボフラビン
    ビタミンC 簡易
    精密
    リコペン
    ミネラルセット
    ペプチド
    抗酸化力
    硝酸イオン
    オプション 官能検査

    (この項目は,大きく2分され,安全・安心評価とメリット評価がある.受審企業が希望すれば,オプションの官能検査結果を評価に加えることもできる.)
    安全・安心評価の検査項目は,13種類.(有害重金属5種,農薬検査250種をそれぞれ1として)必須項目は必ず検査が必要で,推奨項目は評価委員会が検査を奨めるものである.
    メリット項目は9種類あり,基本的にその野菜が含有すべき機能項目を評価委員会の推奨としている.また,受審企業により機能項目で自信あるものを選択いただくことも可能とする.
    放射性物質検査(養液)は,現時点において推奨するもので,条件等(放射能に対する懸念が低くなるなど)により選択に入ることもある.地域により生産物も対象となる.

    6.評価・認証に必要な書類

    必要書類は,以下のとおり.企業内の名称差は差支えない.

    6.1 全ての評価・認証に必要な書類

    1. 検査機関による検査結果
      • 安全・安心項目検査結果(厚生労働省認定機関であること)
      • メリット項目検査結果

    6.2 ゴールド認証,シルバー認証に必要な書類

    植物工場関連文書及びマニュアル・チェックリスト等

    1. 植物工場管理組織体制
    2. 経営層の責任(権限)
    3. TPAC-PPSチームリーダーの責任(権限)
    4. 運用体制チェックリスト
      1. 植物工場管理の基本チェックリスト
      2. 2S(整理・整頓)チェックリスト
      3. 服装チェックリスト
      4. 教育訓練チェックリスト
    5. 管理・作業マニュアル
      1. 管理マニュアル
        種,苗,定植,養液管理,収穫,包装,流通の各作業毎に作成する.
        ※食品衛生新5Sを参考にすること.
      2. 作業マニュアル
      3. 是正・予防処置マニュアル
    6. 導入装置の機能,扱いマニュアル
      メーカーの説明書や装置マニュアル等
    7. 非常時対策要領等
      1. 非常時または災害時の情報伝達と復旧方法の記述
      2. 関係機関との情報の取り扱いに関する協定等(免責事項の記述など)
      3. 関係機関との連絡の確認方法の取り決め
      4. 夜間・休日における点検およびトラブル対策
        (情報伝達にかかる時間を把握,代行想定など)
    8. トラブル管理
      1. トラブル管理実践例
      2. 異物混入対策
      3. 害虫対策
    9. 苦情管理
    10. TPAC-PPSマネジメントシステム図

     

    7.評価認証スケジュール

    report2_5第三者評価委員会の認証スケジュールは,

    1. 認証評価(初回)
    2. サーベイランス(認証から6か月後)
    3. 認証継続評価(認証から1年後と次年度)
    4. 更新評価(3年目)

    となる.
    1,4の認証,更新評価の内容は,基本的に同じであるが,更新評価の場合,パフォーマンスの精度が高くなる.
    2サーベイランスでは,生産物の安全・安心評価(必須)の検査数値をもとに,規制値であることを確認する.
    3認証継続評価は,2にメリット評価(推奨)を加えると共に,マネジメントのP→D→C→Aが回っているかを文書レビューで確認する.

    8.人工光型植物工場生産物及び生産システム評価委員会主要評価員

    1. 評価委員長
      • 野口 伸(北海道大学大学院 農学研究院 教授 生物資源生産部門,日本生物環境工学会 会長,農学博士)
    2. 特別顧問
      • 川地 武(サウンドソイル研究所 所長,滋賀県立大学 名誉教授,農学博士)
    3. 委員
      • 清水 浩(京都大学大学院 農学研究科 教授 農業システム工学,農学博士)
      • 片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科 准教授,医学博士)
      • 有井 雅幸(東京デリカフーズ株式会社 経営企画室長,野菜ソムリエ,食生活アドバイザー,薬学博士)
      • 久原 研(イー・ビーイング客員主席研究員,弁護士)
      • 井上 健雄(イー・ビーイング 理事長)
    4. 事務局長
      • 井上 明子(イー・ビーイング)

     

    9.Land-Eco評価から分る綜合知見の必要性

    第三者評価システムは,2005年に開始した土壌第三者評価委員会,Land-Eco評価から始まっている.
    そこで土壌汚染の調査や浄化対策についての正確性を問うLand-Ecoについて若干触れてみる.
    Land-Eco評価を重ねると,現状の汚染調査・対策の課題が浮き上がってくる.課題とは,汚染調査・対策に取り組む場合に,土地情報・地盤情報につ いて調査・分析が不十分なことである.過度の溶出量・含有量の羅列になったり,間違った技術対策や掘削だけを解決策にしてしまい結果として,高コスト・高 リスクの土壌を残している.
    本来調査すべきポイントは,土地履歴として,土地造成の際にどこから土を持ってきたのか,工場使用された場合にどんな工程でどんな材料・薬剤等がどこで 使われたかを調べることである.また地盤情報として,地層構成,不透水層の位置,地下水位,帯水層の位置,地下水勾配,透水係数等をしっかり調べることで ある.こうした調査により,リスク経路や汚染範囲を特定することができ,施工法の選定,施工,施工管理,終了判定も高い確率で適切なものになる.
    しかしこのような調査,施工には分野横断的な綜合知見が必要となる.大企業であれ,また知見の高い集団であれ,こうした幅広い専門分野を綜合し取り組め る所は少ない.限定分野から調査・対策した結果で契約行為を行ってしまい,大きな損害や健康リスクを発生させてしまった例が多く,残念なことである.

    10.人工光型植物工場第三者評価委員会の役割

    植物工場についても,綜合知の必要性は高い.
    本稿で紹介した植物工場評価システムは,Land-Ecoの経験・実績を基礎にブラッシュアップしたものである.
    Land-Ecoの知見を持つイー・ビーイングが今後,有望な展望のある植物工場とその生産物の正しい成長をできるようにと第三者評価の枠組みを提示 し,村瀬治比古(大阪府立大学大学院工学研究科教授)先生,野口伸(北海道大学大学院農学研究員教授,日本学術会議会員)先生等と議論を重ね,TPAC- PPSとして作りあげた.
    私たちの第三者評価委員会は,日本の人工光型植物工場の技術が世界において秀れたものであり,その生産物は,安全・安心で栄養成分・機能性成分をもつものであることを広く伝えることになればと考えている.
    評価委員会の役割を整理すると以下のようになる.

    1. 世界トップ水準にある植物工場の技術を評価し,グローバル・マーケットにおいても確たる競争力をもつ為の,社会的認知度の向上.
    2. 安全・安心だけでなく,栄養成分・機能性成分のメリット評価を行うことにより露地物ではできないメリット表示が可能となり,野菜の価値訴求を後押しできる.
    3. 今後続々と生産可能になる機能野菜(アイスプラントや薬効性のある野菜)の個別要素技術の進歩を世に紹介する.
    4. その他,植物工場野菜のメリットの認知度向上
      • TPAC認証を受けた野菜は無洗で食することができる.
      • 周年生産や多段栽培,LED利用などによりコスト生産性及び綜合価値というパフォーマンスを高めていくことになる.

    評価委員会の委員長,野口伸先生は,人工光型植物工場とその生産物(野菜等)のあり方について幅広い視野から問題点を整理され,その上で植物工場の持つ意義・展望を非常に明解に纏めておられる.野口先生のお言葉をこのレポートの掉尾としたい.

     植物工場は日本政府が進める農商工連携のシンボリックな事業の一つとして近年注目されている食料生産技術です.生産物を計画的かつ安定的に生産・供給できる植物工場は地域の産業振興の観点からも注目されています.
     特に閉鎖環境で太陽光を使わずに環境を制御して植物の周年・計画生産を行う人工光型植物工場は農薬フリーな生産を可能にし,理論的には極めて安全な生産 物を消費者に供給できます.また,生産物の栄養成分や機能性成分を安定的に高めることが可能なことも科学的に明らかにされつつあります.
     しかし,植物工場で生産された生産物がすべて本当に安全で安心か,またすべての植物工場が本当に生産システムとして適切に管理・運営されているかについては残念ながら断言できません.この理想と現実のギャップが消費者の不信感を生む根源なのです.
     消費者の不信感を払しょくできる生産物や生産システムの安全性を保証するためには,透明性・公平性・独立性が担保された第三者機関による評価・認証しか 方法はありません.この点で,TPAC-PPS人工光型植物工場第三者評価委員会は重責を担っています.
     人工光型植物工場を安全な生産物を生産できるシステムとして社会に認知させ,普及させることができるかどうかはこの第三者評価委員会にかかっているといっても過言でありません.

     

  • 植物工場野菜認証システムスタート!

    afc
    AFCフォーラム 2012年4月号 多論百出
    今、植物工場野菜はTPAC-PPS※植物工場野菜の第三者評価・認証システムという、新しい物語を紡ぎ始めます。

    環境と経済の最適解は安全な食にあり

    当法人は、2002年の設立以来、環境問題に注力し「環境と経済はwin-winの関係になり得る。そしてその最適解は、安全な食物にあるのではないか。」と考えてきました。つまり、土壌・大気・水汚染といった環境問題への真摯な取り組みが、安全・安心な食物の提供につながれば、人・環境・経済のトリプル・ウィンにも資するわけです。
    その実現手段の一つとして、植物工場に着目しています。

    植物工場の実力

    牧歌的な農村風景に郷愁を禁じえないものでありますが、農業はいつも災害、異常気象、病・虫害など多くの災厄に見舞われ、そのうえ、先の震災による放射能汚染の心配も加わってリスクは大変なものがあります。
    屋内で環境をコントロールする植物工場は、それらのリスクを回避し、安全で農薬フリーの極めて良質な野菜を作ることができます。また、栄養価や機能性を 高めることもできますし、周年生産による安定供給も可能です。その他、灌水した水の97%を回収し再利用する水の生産性、土地面積あたり数十倍の栽培も可 能、大消費地である都市工場であればフード・マイレージの短縮等数々のメリットを持っています。

    生産者と消費者の思い

    意欲的な研究者や生産者から、この植物工場野菜の安全・安心や他の栽培方法と比較したメリットについてわかりやすく伝える方法が必要であるという意見が数多く出てきました。
    一方で、消費者は植物工場野菜をどう見ているのでしょうか?
    「植物工場」ときくと、「野菜ではなく工業生産物みたい」「何が使われているかわからない」など不信とまではいかなくても不安の声をよく耳にします。

    TPAC-PPSによる評価・認証

    この消費者の不安を払拭し、正確な情報をより広く伝えるために斯界の権威を迎えたTPAC-PPS植物工場野菜認証システムが、誕生しました。
    このシステムの由来は、2005年より開始されたLand-Eco土壌第三者評価委員会にあります。透明性・公平性・独立性が担保されたこの仕組みは、高く評価され地裁の係争案件の証拠資料になるなど30件を超える実績があります。
    この枠組みを植物工場野菜にあてはめ、第三者評価委員会が、野菜の安全・安心を大腸菌や一般生菌等により、メリットを糖度やビタミン等の栄養分析によ り、そして養液の安全は、農薬、重金属、硝酸イオンセット等により評価します。加えて工場の再現性(いつも同等の品質を維持できるシステムかどうか)につ いても植物工場関連文書及びマニュアルのレビューと現場調査のうえ、評価し認証します。

    ゴールド認証での差別化

    認証には3段階ありますが、ゴールド認証を受けた場合は、個々の野菜のパッケージにTPACマークをつけることができます。(冒頭のマーク)TPAC マークは消費者に一目でその野菜の安全・安心を伝え、マークの横のQRコードを読み取れば、生産者、栄養成分や機能性成分などの情報を即座に知ることがで きます。つまり生産者は、直接消費者にその野菜の価値をわかりやすく告知でき、他の野菜との差別化を明確にできるのです。

    植物工場の今後

    植物工場は、省エネルギーの断熱構造体、LED、センサー制御、ロボットシステムそして農業そのものもサイエンス農業への進化等様々な研究の成果により ローコスト、ローエネルギーの循環型農業を可能にさせ、代替農業や付加価値農業へと進化する段階を迎えています。
    TPAC-PPSを、植物工場野菜認証のデファクト・スタンダードとして育て、TPAC-PPSによって客観性が付与された植物工場野菜と生産システムは、消費者に愛顧されるとともに、日本の競争力ある輸出品としても成長していくものと確信します。

    (注)本稿で植物工場は、基本的に閉鎖型人工光型植物工場を指します。
    ※生産物および生産システム第三者評価委員会
    (Third Party Accreditation Committee on Products and Product System略称TPAC-PPS
    (主宰NPO法人E-Being)